彼女は死んだ。出会いと別れ、喜びと悲しみ「Bai Qu 百曲」
このブログを見ている奴は僕の知り合いが多いと思う
したがって半数が大学生だろう。
そんな大学生の諸君に、今日は大学生が主人公の1本のゲームを勧めたいと思う。
Bai Qu 百曲
- 一週間前に、僕は李佳蘊が亡くなったのを知った。
始まりの一文だ。
久しぶりに自分の家へ帰ってきた寮生の元に、速達が届いた。
隣に住む李家宛のものだったが、彼らは一人娘である李佳蘊が亡くなり既に引っ越した後だという。
そうしていると彼の元に青年が訪ねる。
李佳蘊の友達と名乗る青年は、速達の中身である日記帳を受け取りにきたようだ。
その青年 魏楸梧へ日記帳を渡した寮生だが、自分より年下の李佳蘊と明らかに年上の魏楸梧がと友達であることに疑問を抱く。
そんな彼に魏楸梧が彼女との出会い、そして過ごした日々を語りだす……
Bai Quはそんな序章より始まるノベルゲームだ。
終わりがあるから美しい、終わりがあるから儚い
主人公の魏楸梧はある日病院で、病弱な少女李佳蘊とその友達でいつも明るい賀佳と出会う。
3人は親しくなり、色々な人との出会い、様々な体験を通して物語はどんどん華やかな方向へと進みだす。
しかし、待ってほしい。李佳蘊は死んだのだ。
このストーリーは自分の首を絞める真綿でありながら、とても鮮やかで甘い綿菓子だ。
物語が進むとともにキャラへの愛着が深まってきたプレイヤーにとって、それはいつ来るかわからない絶望であり、逃れようのない物語の終着点でもある。しかし物語の鮮やかさに惹かれどんどん読み進めてしまう。
読み終えた先にあるのは満足感なのか、悲しみなのか、はたまた寂寥感なのか。
日本のゲームでない、それがどうした
このゲーム、百曲と書いてBai Quと読んでいることからわかるように中国のMagenta Factoryより発売されている。
そのため音声は日本語ではなく中国語なのだが、意味が分からないせいか本当にそうなのかは知らないが、とてもキャラが生き生きと感じられる素晴らしいボイスとなっている。
(大体、日本語字幕がついているからそれを読めばいい。言葉遣いが変なところはあるが、大きな誤訳もない。)
舞台の南京は中国の文化が生活に溶け込んでおり慣れ親しんだ現代を舞台としながら異文化を感じることができる。そこがまたとても面白い。
因みに
実はこのBai Quを知った理由として、Magenta Factoryの前作Shan Guiの存在がある。Shan guiはショートボリュームながらある夏の日の2人の少女の出会いと小さな旅行を描いた素晴らしい作品だし、なんならBai Quの登場キャラも出てくるのでやれ。(ストーリー上の繋がりはないけどね)
というかBai Quを買うとShan Guiもついてくるので、やらないと損ですよ損。